9月29日、精神保健医療福祉に関する検討会が開催され、精神疾患にかかる医療提供体制について意見が交わされました。
まず、入院医療に関する方向性についてです。
精神科の入院機能は、「急性期機能」と「包括期機能」の二つに整理され、慢性期機能については、障害福祉サービス等を活用しながら適正化を進めていく方針が示されました。
一方で、これを法律上に位置付けると、人員配置などの要件が厳しくなる懸念があることから、柔軟な運用を求める意見が出されています。
また、地域移行を長期スパンで進める必要性や、精神保健福祉法だけではシームレスな支援体制を構築することが難しいとの指摘もあり、地域全体で多職種が連携して支える仕組みづくりの重要性が強調されました。
続いて、入院外医療に関する議論では、かかりつけ精神科医機能や、行政によるアウトリーチ支援の方向性について触れられています。
かかりつけ精神科医機能は、名称による混乱を生じさせないよう、「精神科におけるかかりつけ医機能」と称する方針が示されました。
地域で面として機能を発揮していくことについて、診療報酬上におけるなんらかの評価が必要ではないか、といった意見が見られ、今後、地域が連携して支えていくことを推し進めていく考えが挙げられています。
また、未治療者や治療を中断した人、ひきこもりの状態にある人への行政のアウトリーチ支援を強化し、治療が必要な人を医療機関につなげる体制の整備を推進する方針としています。
アウトリーチは専門性の高い支援であるため、保健所や精神保健福祉センターが中心となって、専門的な検証をしっかりおこなってほしい、とする意見が見られます。加えて、精神保健福祉センターにアウトリーチ担当チームを必須で設置するのはどうか、といった意見も挙げられています。
一方で、精神保健福祉士などの配置がない自治体では、医療機関や保健所との連携が不可欠であり、精神科クリニック側にもケースマネジメント機能が求められるとの指摘もありました。
最後に、今回の検討会では、精神科におけるオンライン診療について、各参考人による資料とともに議論が行われました。
精神科におけるオンライン診療については、安全性や有用性などがこれまで議論されています。
実際にオンライン精神療法を行っている病院は、オンライン診療のみでは継続は難しいとして、対面を組み合わせて実施できる医療機関が責任を持っておこなうことが前提である、とする考えを述べています。
また、インターネット上では、精神科のオンライン診療について、即日の診断書作成や睡眠薬の処方など、不適切な診療がおこなわれている可能性のある情報が散見されると報告がありました。こうした事例に対し、「患者の安全の観点から直ちになくすべきである」と指摘しています。
そして、離島へき地におけるオンライン診療の事例からは、D to P with N、つまり看護師がオンライン診療を支援する方法の有効性が示されています。通常のオンライン診療と比較して、質の高い診療を届けることができる点などがメリットとして考えられています。