今回のレスコニュースでは、2025年の1年間に取り上げたトピックスについて振り返り、2026年の動きを見通していきます。
2025年は、物価高騰や人材不足といった厳しい社会情勢の中、持続可能な医療提供体制を確保するために、医療DXが具体化し、本格的に推進された1年となりました。
「医療DX令和ビジョン2030」の実現に向けて、5月に発表された提言では、医療機関の情報システムについて、これまでのオンプレミス型からクラウドネイティブなシステムへ移行することが方針として打ち出されました。
また、2030年までに電子カルテ導入率100%を目指す動きが本格化し、医療法等改正の内容に盛り込まれました。あわせて、国が「標準仕様」を策定する動きも具体化しており、ガバメントクラウドの活用や標準APIの搭載などが議論されています。
さらに、2025年は電子処方箋の普及も少しずつ進み、薬局での導入率8割を超えました。院内処方情報の登録機能もプレ運用が開始され、「ダミーコード」の登録を不可にするなどの安全性の向上に向けた改修も行われています。
一方で、2025年は医療機関がサイバー攻撃の被害に遭う事例が報告されました。
2月に公表された公的医療機関の調査報告書は、これまで安全とされてきた「閉域網神話」の危険性を改めて浮き彫りにするものとなり、セキュリティ対策の一層の強化が求められるようになりました。
令和7年度版サイバーセキュリティ対策チェックリストでは、二要素認証の実装や、パスワード管理の厳格化が求められるようになっています。
また、医療分野を経済安全保障上の「基幹インフラ」に追加する検討が進んでおり、医療機関のセキュリティ対策は、2026年も継続した課題として扱われる見通しです。
2025年は、物価や人件費の高騰といった影響により、医療機関の経営赤字の拡大が大きな課題となりました。病院団体からは、適切な評価を求める強い要望が提出されています。
補正予算では、賃上げや生産性向上を支援する「医療・介護等支援パッケージ」に約1.3兆円の予算が投じられました。補正予算が確定したため、2026年早々に支援がスタートしていく見込みです。
また、医療従事者の負担軽減のため、生成AIによる文書作成補助といったAI活用の拡大が議論され始めています。ここ数年での急速なAIの発展を見る限りでは、2026年にはAIの活用がいっそうスピードを早めて進められていくことも予測されます。
2025年は、医療DXの具体化に向けて基盤を固めた1年と見ると、2026年はその基盤の上で本格的に動き始める1年になり、より一層変化の年になることが予測されます。