1月19日、社会保障審議会 医療部会にて、医療安全に係る検討会の報告が行われました。日本では、2002年に策定された医療安全推進総合対策以降、医療安全管理体制確保の義務化や、医療機関内で発生した事例を第三者機関に報告する制度など、医療安全に関する施策が実施されてきました。それらの施策について、課題を整理し、対応策を検討することを目的として、2025年6月に「医療事故調査制度等の医療安全に係る検討会」が設置されました。今回の報告書は、当該検討会にて取りまとめられており、今後の方向性について示したものとなっています。
まず、重大事象を確実に把握するため、報告すべき事象の範囲を明確化する方向性が示されています。事象は、患者への影響度と、回避可能性によって区分されます。患者への影響度が高く、かつ回避可能性が高い12の事象を、報告義務의対象とする方針です。義務の対象となる事例として、「侵襲的手技における取り違え」や、「薬剤等の投与経路間違い」、「既知のアレルギーまたは禁忌薬剤等の投与による死亡または後遺障害」などが挙げられます。また、患者への影響度は高いものの、回避可能性が必ずしも高くないとされた12の事象は、報告の努力義務の対象となっています。
次に、医療安全管理体制を強化するため、これまで診療報酬上の加算要件などで扱われてきた「医療安全管理者」を、医療法の制度上に位置付け、その役割を明確化する方針が示されています。医療安全管理者の配置は、入院・入所施設を持つすべての病院・診療所・助産所等で義務化されます。なお、医療機関の規模や機能に応じた柔軟な配置を可能にするため、要件についても整理されています。多くの医療機関において医療安全管理者を配置できるよう、医療有資格者であることや、特定の研修を修了すること等の要件を求めない方針です。
ただし、役割を担うにあたっては一定の専門知識が求められるため、必要に応じて、指針に則った研修の受講が推奨されるべきであり、国による受講環境の整備も重要であると言及されています。これらの方向性について、医療法施行規則を改正し定めていくとして、2026年4月施行に向けて準備が進められていきます。