電子カルテ標準仕様1.0版が確定 〜クラウド前提の設計に〜

2026.04.10 RESCHOニュース

このニュースでは、中小病院・診療所向け電子カルテ標準仕様書1.0版の確定内容について、設計方針・要件明確化・制度検討の論点を扱います。クラウド化前提の仕組みや未確定要件の位置づけを整理し、医療機関とベンダーに向けて解説します。

・厚生労働省は2026年3月31日に電子カルテ標準仕様書1.0版を正式公表
・電子カルテ標準仕様書はクラウドネイティブ型とSaaS提供を前提に設計
・電子カルテ標準仕様書はマルチテナント方式の採用を要件として規定
・ガバメントクラウドの適合判定は公共SaaSに限定する方針を明確化
・電子カルテの個別カスタマイズの許容範囲を具体化
・認証制度設計とデータ移行仕様等は未確定で今後の改定で具体化見込み

標準仕様書1.0版の確定

3月31日、中小病院と医科診療所向けの電子カルテ・レセコン標準仕様書の確定版が公開されました。
案の公表から約1ヶ月間のパブリックコメント募集を経て、基本要件の確定版として1.0版の公表に至りました。

設計方針はクラウド前提を維持

基本的な設計思想に係る方針は案から変更されておらず、クラウドネイティブやSaaS型、マルチテナント方式などの要件は確定版においても一貫しています。

パブリックコメントを踏まえた要件の明確化

一方で、パブリックコメントの内容を受けて、技術的に曖昧さが残っていた部分については、内容を明確化する修正が行われています。
例えば、ガバメントクラウドの「みなし適合」の範囲が公共SaaSに限定される旨の明確化や、カスタマイズの例外となる範囲の詳細化などが反映されています。

今後の検討事項と周知の課題

ただし、認証制度の具体設計や、データ移行仕様などについては「今後の検討の参考とする」として回答していることから、今後の仕様書の改定によって、段階的に具体化される見通しです。
パブリックコメントの中には、クラウドの仕組みや個別カスタマイズの考え方など、仕様書の意図する内容と異なる認識をしているケースも見られますが、厚生労働省は仕様書の該当箇所を示す形で回答しています。標準仕様書の意図する内容を適切に伝えていくことが、今後の周知にあたっての国の課題であることが見受けられます。