4月28日、財務省は「持続可能な社会保障制度の構築」として提言を発出しました。この内容は、「骨太の方針2026」の策定を見据えた、財務省からの提言「春の建議」に向けた議論となっています。
現在の社会保障制度は、膨れ上がる社会保障関係費と、現役世代の社会保険料負担の増大という課題を抱えています。こうした課題に対して、着実な賃上げと、社会保障改革を通じた社会保障負担率の抑制が求められます。
これまで、日本の医療制度は、医療の高い質と良好なアクセス性の両方を確保することに努めていました。しかし、少子高齢化や医療の高度化が進展する中で、医療の質・患者のアクセス性・コストの抑制の3つすべてを同時に達成することが困難な「医療政策のトリレンマ」に陥りつつあります。
効率的な医療提供体制の構築に向けては、地域における医療機関の機能分担と連携の強化を行うとともに、医療DXの推進と、医療産業のコスト構造の見直しを行っていくことが不可欠だと述べられています。
医療DXに関しては、2030年末までに電子カルテの普及率を約100%にすることが法で定められるなど、医療分野における情報基盤の整備が社会的に求められています。情報基盤の整備やシステムの導入によって、医療提供を効率化させ、患者の利便性向上と医療費の適正化を見込んでいます。
今後はより限られた人員で医療現場を支えていくことになるため、医療現場でのDX・AI活用を普及させることが必要であるとして、こうした取り組みを進める医療機関に対する財政支援等も検討する必要性が提示されています。特に、AIがもたらす恩恵に注目が集まっており、将来的にはAIを中核に据えた医療提供体制を構築することも構想されています。
また、医療DXによる医療情報の二次利用等が進めば、データに基づく政策立案が可能となるため、医療提供体制の効率化にも寄与すると考えられています。加えて、医療機関経営に関する課題も残されており、経営基盤を強化する観点からも、医療法人による業務範囲の拡大には検討の余地があるとしています。