病院システムのクラウド化 2030年までに導入可能な環境を整備

2025.02.07 RESCHOニュース

このニュースでは、厚生労働省の会合で議論された医療DXの制度見直しや電子処方箋の普及状況、病院情報システムのクラウド移行方針について整理します。医療機関や薬局、医療システム関連事業者向けに最新の施策目標と導入計画を解説します。

  • ・電子カルテ情報共有サービスの法制化やマイナ保険証による医療費助成の連携等を推進
  • ・電子処方箋は院内処方に対応し2025年1月時点で全体の普及率22.5%に到達
  • ・トラブル対応として電子処方箋管理サービスの改修を2025年夏頃までに実施
  • ・電子処方箋の未導入施設へのフォローと普及目標の見直しを2025年夏に実施
  • ・病院情報システムは2030年までにクラウド型への移行環境を整備
  • ・国は2025年度を目処に標準仕様を作成し個別カスタマイズを抑えた共同利用を推進

1. 医療DXの制度的対応と主な見直し項目

1月22日、「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チームの会合が開催されました。
今回の議題は、「医療DXの制度的対応」「電子処方箋」「病院の情報システムの刷新」の3点です。

医療DXに関しては、いくつかの項目について見直しが検討されています。
電子カルテ情報共有サービスを法律に位置付けること、マイナ保険証1枚で医療費助成を受けられる仕組みを整備すること、医療・介護の公的データベースについて仮名化情報の利用・提供を可能とすること、支払基金を医療DXの実施主体として法人の名称、目的等を見直すこと、などが挙げられています。

2. 電子処方箋の普及状況とトラブル防止に向けた今後の対応

電子処方箋は、2023年1月より運用が開始され、機能拡充が実施されてきました。2025年1月より、院内処方の情報登録にも対応するようになります。
2025年1月時点での電子処方箋の普及状況を見ると、全施設のうち22.5%が運用を開始しており、内訳はそれぞれ病院が3.9%、医科診療所が9.9%、歯科診療所が1.7%、薬局が63.2%となっています。医療DXの推進に関する工程表では、2025年3月までに概ね全国の医療機関・薬局に対して普及させる目標でしたが、医療機関の導入率は約1割弱に留まる見込みです。
薬局における電子処方箋の利用は順調に増加しており、電子処方箋管理サービスへの情報が蓄積されていくことに伴って、重複投薬や併用禁忌を回避した好事例も報告されています。
一方で、2024年の年末には、マスタの設定ミスやダミーコードの取り扱いなどに起因するトラブルが報告され、電子処方箋の発行が一時停止される事態となりました。このトラブルを受け、防止策を含む電子処方箋管理サービスの改修と、医薬品コードの仕組みのあり方の整理を2025年夏頃までに行なっていく方針としています。
電子処方箋の今後の対応としては、導入していない医療機関等に対するフォローアップや、更なる導入策の措置などによって普及を拡大させるとともに、新たな目標については2025年夏を目処に見直しする、としています。

3. 2030年に向けた病院情報システムのクラウド移行と標準化

病院の情報システムの刷新については、以前の医療等情報利活用ワーキンググループにて検討された、クラウド化について改めて方針が提示されました。
現在の病院システムでは主にオンプレミス型が採用されていますが、サイバーセキュリティ対策やシステム関連費用の高騰といった課題から、今後はモダン技術を活用したクラウド型システムに移行するとして、2030年までのできる限り早い時期に、希望する病院が導入できる環境を整備することを目標としています。
また、国は2025年度を目処に標準仕様を作成すること、システム費用の低減やシステム対応負荷の軽減を図るため、標準仕様に準拠した病院システムは個別カスタマイズを極力抑制して共同利用できるようにすること、標準コード・マスタの利用の徹底を図ること、などが挙げられています。今後、これらの方針に沿った具体的な動きが加速することが予想されます。

こちらの情報もおすすめ