7月7日、政府は2026年のデジタル行財政改革のとりまとめを行いました。
国民の命や暮らしを支える公共サービスの強化や、現役世代の活躍を支える環境整備に重点を置き、DX、とりわけ生成AIを活用した変革に力を入れる方針です。
重点分野として、「医療・介護DX」「交通・インフラDX」「働く環境DX」「行政手続・サービス等DX」がそれぞれ挙げられています。
ここでは、医療分野について紹介します。
まず、医療DXに関しては、2026年中に厚生労働大臣が定める「医療情報化推進方針」や、政府が決定する「日本成長戦略」等に沿って推進される方針です。それぞれの施策の進捗情報を把握するためのダッシュボードを公開し、施策を着実に進めていく、としています。
医療DXの施策として、電子カルテについては「2030年までに概ね全ての医療機関において導入を目指す」とした目標に加え、電子カルテを導入していない200床以上の病院については、2028年度までに電子カルテ普及率100%を目指す、とする指標が掲げられています。電子カルテ情報共有サービスにおいても、具体的な普及計画を策定のうえ、全国的に広めていくために、先ほどのダッシュボードに電子カルテと電子カルテ情報共有サービスの普及状況を可視化させていく方針です。
また、2026年度中に、医療機関のシステムをクラウドネイティブ型に刷新させるために、厚生労働省による「標準仕様準拠の電子カルテ認証制度」の開始や、電子カルテ情報共有サービスの運用開始を踏まえて、これらの取り組み状況も段階的にダッシュボードに掲載していく方針としています。
次に、電子処方箋をさらに安全に運用できる仕組みを整備していくための取り組みが提示されています。医薬品マスタや一般名コードの整備を進めるとともに、2028年度を目処に、公的な医薬品・医療機器等の製品データベースを構築する予定としています。さらに、薬局での待ち時間の短縮など、利用者のUXを向上させるためのシステム改修を2027年度以降に進めていく方針です。加えて、医療機関・薬局間の情報連携を推進する目的で、現状はFAX等でやりとりされている情報の様式を標準化し、電子カルテ情報共有サービスの基盤等を活用することによって、情報連携ができる仕組みの検討を進めていくとしています。
このほか、医療機関の業務効率化も取り組むべき施策として挙げられています。2026年度の診療報酬改定にて、ICT等を活用した業務効率化に取り組む医療機関を評価する内容が加えられており、今後はAI活用を含む業務のDXにより業務効率化に取り組む医療機関を継続的に支援していく方針です。
以前このチャンネルでも紹介した「日本成長戦略」をはじめ、今回のデジタル行財政改革においても、医療DXは重点分野として挙げられており、今後さらに国が推進するスピードが加速していくと見られます。