2030年に向けた医療DXロードマップ「医療情報化推進方針」〜脱・オンプレミスのタコツボ化〜

2026.09.04 RESCHOニュース

このニュースでは、厚生労働省が2026年8月27日の社会保障審議会医療保険部会に提示した「医療情報化推進方針」の案について解説します。クラウド基盤への移行や2030年に向けた工程表、 DX審査支払機構の指針となる具体的な目標値を整理します。

  • ・DX審査支払機構の指針となる医療情報化推進方針案の提示
  • ・オンプレミス脱却とクラウド移行による「つながるDX」の推進
  • ・第1期(2026年10月〜2030年3月)における電子カルテ普及率約100%目標
  • ・2026年度の電子カルテ情報共有サービス全国運用と2027年度のクラウド電子カルテ普及
  • ・部門システム標準規格や公的データベース整備を含む3領域の工程表策定

医療情報化推進方針案の提示と「つながるDX」への移行

8月27日、社会保障審議会 医療保険部会にて、「医療情報化推進方針」の案が提示されました。

医療情報化推進方針とは、2025年の医療法等の改正によって、厚生労働大臣が作成することが定められた医療DXに関する方針を指します。また、同改正法によって、支払基金は医療DXの推進母体である「DX審査支払機構」に改組されます。この方針は、DX審査支払機構が医療DXに関する施策に取り組むにあたっての指針となります。

方針案では、個々の医療機関が構築してきたデジタル基盤を、国が共通のルールやプラットフォームを通じてひとつに束ね、日本全体を「つながるDX」へと再構築することを目指す、とされています。

基本的な方針として、「オンプレミスのたこつぼ化を越え、クラウドで基盤をつなぎ直す。」という言葉が掲げられています。クラウド移行によって、「業務効率化・生産性向上」「セキュリティ対策」「データの共有」という3つのポイントを実現する狙いです。

第1期の目標設定とロードマップ

この推進方針の対象期間は、第1期が2026年10月から2030年3月末までに設定されています。目標として、あらためて「電子カルテ普及率約100%」「サイバーセキュリティ対策100%」「クラウドネイティブ型の環境整備」という内容が掲げられています。

目標実現に向けた2030年までの主な取組が、ご覧の図で整理されています。 2026年度には電子カルテ情報共有サービスの全国運用をスタートする計画です。2027年度は、認証されたクラウドネイティブ型電子カルテの普及を開始することや、電子カルテ情報共有サービスで取り扱う情報を拡大することなどが見込まれています。

3つの大カテゴリによる具体的工程表

より詳細な工程表の案も同時に提示されています。

「医療DXサービス利用のための基盤整備」「全国医療情報プラットフォーム」「医療等情報の二次利用」の3つの大カテゴリに分類された各工程が、4ページに渡り作成されています。

「医療DXサービス利用のための基盤整備」としては、クラウドネイティブ型電子カルテの普及とともに、部門システムに関する工程が示されています。2027年度中に部門システムの標準インターフェースを策定し、2028年度より各製品に実装していく見込みです。

「全国医療情報プラットフォーム」とは、診療報酬改定DXの推進や、救急医療情報連携プラットフォームなどに関する内容が計画されています。また、2028年度中に医薬品の公的なデータベースを構築し、同年中に公開していく予定とされています。

「医療等情報の二次利用」としては、2028年度中に電子カルテ情報データベースを整備することや、公的データベースをクラウド環境で利用するための整備を行っていくことなどが挙げられています。

これらの方針によって医療DX推進の工程が具体化され、今後はDX審査支払機構による中期計画や年度計画など、直近の施策へと落とし込まれる予定となっています。

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