日本医師会は、12月25日の定例記者会見にて、「診療所における医療DXに係る緊急調査」の結果を発表しました。
医療DXの推進にスピード感は必要とされていますが、一方で医療提供体制に混乱や支障を生じさせないよう準備していくことが求められるとして、診療所での医療DXの取り組みについて調査を行っています。
調査は、Web調査にて行われ、4,454の有効回答が集まっています。
2025年1月より、医療DX推進体制整備加算の施設基準は「マイナ保険証の利用率10%以上が必要」となりますが、利用率10%未満の施設が全体の約7割を占めている状況です。また、院長の年齢が高いほど利用率が低くなる傾向も見られます。
電子処方箋の導入率は、運用中と未運用の施設を合わせて14.5%にとどまっています。
未導入の理由としては、「システムの導入や改修の費用負担が大きい」という回答が最も多く、ついで「電子処方箋を導入するメリットを感じない」、「ICTに詳しいスタッフが不在・不足している」という回答があがっています。
運用中の施設からは、重複処方や併用禁忌などの直近の診療情報を確認できるものの、「メリットを感じられない」「電子処方箋を導入している薬局が少ない」という意見があがりました。
これらの回答から、電子処方箋の課題として、導入にかかる費用負担・作業負担の軽減、丁寧な情報提供、地域が一体となって普及を進めるなどの必要があるとされています。
回答者のうち、電子カルテの使用割合は62.6%となっていました。しかし、調査方法がWebであったことから、比較的ICTに慣れた医師からの回答が多くなっている点に留意が必要とも述べられています。
また、政府が2025年度中に本格稼働を目指す電子カルテ情報共有サービスについては、約4割の回答者が「診察中にネットワーク上の患者情報を見ることは難しい」と回答しつつも、「利用して診療に活用したい」、「他の医療機関との連携に活用したい」との回答も約3割となりました。一方で、電子カルテ情報共有サービスのメリットのひとつである「震災などの有事の際には利用したい」についての回答率が11.5%にとどまることから、共有サービスの内容について、より十分な周知が求められると見られます。
診療所においては特にICTの知識がある人材の不足が課題と見られており、不足していると回答した施設は9割強にのぼっています。
また、電子カルテやレセコンの費用負担も課題としており、約95%の施設はシステム費用に負担を感じていると回答しています。医療DXの推進においては、人材不足や作業負担、費用負担の課題に対応すべきだとしています。