12月18日、社会保障審議会医療部会が開催され、「2040年頃に向けた医療提供体制の総合的な改革に関する意見」案がとりまとめられました。
これまでも今後の医療提供体制について議論されてきたとおり、将来的な人口構造の変化や地域差の拡大、働き方改革などを踏まえた新たな地域医療構想の策定が進められています。
今回の「総合的な改革」に関する意見案では、具体的な改革の内容として、ご覧の6項目についてまとめられています。
1.新たな地域医療構想
2.医師偏在対策
3.医療DXの推進
4.美容医療の適切な実施
5.オンライン診療
6.その他
「新たな地域医療構想」と、「医師偏在対策」については、すでに検討会にてとりまとめが行われています。
今回の意見案では、医療DXに関する内容が多数記述されていることがポイントです。
まず、電子カルテ情報共有サービスについては、2025年度中に本格稼働を行うべき、とした上で、「医療機関等が3文書6情報を支払基金等に対して電子的に提供できる旨を法律に位置付けること」と、その情報について「”共有サービスによる医療機関等への共有”以外の目的にて使用してはならないこと」としています。
また、共有サービスの普及推進のために、「地域医療支援病院、特定機能病院、その他救急・災害時における医療提供を担う病院等に対して、体制整備の努力義務を設けること」としており、今後徐々に対象が拡大したり、努力義務から義務化に強められたりする可能性もあると見られます。加えて、感染症危機への対応として、「医師等が感染症の発生届等を、共有サービスを経由して感染症サーベイランスシステムに届け出ることができるようにすること」、「感染症対策上必要なときは、厚生労働大臣から支払基金に対して必要な電子カルテ情報等の提供を求めることができるようにすること」としています。
電子カルテ情報共有サービス全体に必要とする費用は、メリットを受けることになる患者(被保険者)、医療機関、保険者、国のそれぞれが一定程度負担するとして、例えば医療機関としては、電子カルテの標準化対応の改修や、未導入の場合は標準型電子カルテの導入を進めることが挙げられています。
また、医療機関の電子カルテシステムについては、未導入の医療機関へ標準型電子カルテの普及を速やかに進めるとして、国として必要な支援を検討すべきとしています。
このほか医療DXについては、次の内容が挙げられています。
マイナ保険証1枚で医療費助成のオンライン資格確認を実施できるようにすることで、資格誤認請求などを減少させ、医療費の支払・請求にかかる医療機関等の事務負担を軽減することを図っています。このため、「2026年度以降、公費負担医療におけるオンライン資格確認を制度化すること」や「関連システムの管理・運用等の業務を全国規模で実施するための法的整備を行うべき」とする内容が盛り込まれています。
電子カルテ情報や医療・介護の公的データベースの情報については、仮名化情報の利用が検討されています。情報セキュリティ対策に万全を期すとともに、電子カルテ情報の二次利用については、今後のガイドライン等の作成にあたって医療関係者の意見を聴きながら検討を進めるべきとしています。支払基金については、これまでも議論されてきたように、医療DXの実施主体として抜本的に改組するとしています。なお、医療DXについては、2024年度の厚生労働省補正予算案にも組み込まれています。